今日の相場ポイント|FXマーケット解説(11/03)

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和平期待なのにゴールド上昇?原油と米金利が変える金相場の常識

通常、戦争終結への期待は、安全資産とされるゴールド(金)の売り材料になりやすいものです。

ところが11月2日は、米国とイランの交渉期待が広がるなかでゴールドが上昇。そして翌3日には反落しました。

この一見わかりにくい値動きのカギを握るのが、原油価格と米国の金利見通しです。

和平期待なのに、なぜゴールドが上がった?

イランのペゼシュキアン大統領は、最高指導者から米国との交渉を進める権限を与えられたと発言しました。

これを受けて交渉進展への期待が広がり、11月2日は原油価格が下落。ゴールドは前週末の下落から反発しました。

通常なら、地政学的な緊張が和らぐと、安全資産を保有する必要性が薄れ、金には売り圧力がかかりやすくなります。

しかし今回は、「和平期待 → 原油安 → インフレ懸念の後退 → 米利上げ観測の後退」という別の経路が、金を支えたと考えられます。

原油価格が下がると、なぜゴールドにプラス?

原油は輸送費や製造コストなど、幅広い物価に影響します。

原油価格が上昇するとインフレが長引く懸念が強まり、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を高く維持したり、追加利上げを行ったりするとの見方につながることがあります。

ゴールド自体には利息がつかないため、金利の上昇は一般に逆風です。

反対に、原油安によってインフレ圧力が和らげば、金融引き締めへの警戒が後退し、ゴールドを保有する際の相対的な不利が小さくなります。

つまり今回は、地政学リスクの低下による金売りよりも、原油安を通じた金利見通しの変化が意識された可能性があります。

米ISMもインフレ懸念の後退を示唆

11月2日に発表された10月の米ISM製造業景況指数は55.5となり、前月の54.5から上昇しました。

一方、企業の仕入れ価格の動きを示す支払価格指数は、前月の77.9から75.2へ低下しました。

これは、製造業の活動が拡大する一方で、仕入れ価格の上昇ペースがやや鈍化したことを示しています。

ただし、支払価格指数は依然として高水準です。インフレ圧力が解消したわけではありません。

それでも、原油安とあわせて考えると、物価上昇がさらに加速するとの警戒を和らげる材料になり得ます。

ドル円は158円目前で足踏み|米金利の動きに注目

一方、11月3日のドル円は157円台後半で推移し、158円を目前に方向感の乏しい展開となっています。日本市場が文化の日で休場していることも、値動きが限定的になっている一因と考えられます。

ここでゴールドと共通する注目材料が、米国の金利見通しです。

原油安によってインフレ懸念が和らぎ、米金利が低下すれば、ゴールドには追い風となる一方、ドル円には下押し圧力がかかる可能性があります。

反対に、原油高でインフレ懸念が再燃し、米金利が上昇すれば、ゴールドには逆風となり、ドル円は上昇しやすくなる場合があります。

ただし、ドル円には日銀の追加利上げ観測も影響します。158円を上抜けるかどうかに加え、米長期金利と日銀の政策見通しをあわせて確認したいところです。

11月3日は反落。やはり原油がカギに

ところが翌11月3日には、ゴールドが反落しました。

イラン情勢を巡る不透明感が残るなか、原油価格が再び上昇。エネルギー価格の上昇によるインフレ懸念が意識され、金の重荷になりました。

ここで重要なのは、中東情勢の悪化が必ずしも金の上昇につながるわけではないという点です。

地政学的な緊張が高まれば、安全資産として金が買われる場合があります。しかし、その緊張によって原油が急騰し、米金利の上昇が意識されれば、金が売り戻される可能性もあります。

今後のゴールド相場で注目したい3つのポイント

① 原油価格の方向
交渉進展によって原油が下落する場合は、インフレ懸念の後退を通じて金を支える可能性があります。逆に供給不安で原油が上昇すれば、金融引き締め懸念が重荷になり得ます。

② 米長期金利とFRBの政策見通し
原油価格の変化が実際に米金利へどう反映されるかが重要です。原油安でも米金利が上昇すれば、金への追い風は限定的になる可能性があります。

③ 米中間選挙とイラン交渉の進展
米国の中間選挙に加え、イランとの交渉が具体的な合意に向かうかどうかにも注目です。交渉権限が与えられたことと、合意が成立することは別であり、情勢はなお流動的です。

今日のまとめ|金もドル円も、原油と米金利がカギ

11月2日のゴールド上昇と翌3日の反落は、金相場を動かす要因が一つではないことを示しています。

「戦争なら金買い」「和平なら金売り」という単純な見方だけでは、今回の動きを説明しきれません。

今後は中東情勢そのものに加え、原油価格がインフレと米金利の見通しをどう変えるかが重要です。

ドル円も158円目前で足踏みしており、米金利の変化は両市場に共通する注目材料です。

ゴールドとドル円を別々に見るのではなく、原油・米金利を含めた市場全体の動きを確認していきたいところです。

※為替レートは11月3日(火)13:25(日本時間)前後の参考値です。

参考資料

ISM|2026年10月製造業景況指数

Kitco|イラン外交と原油安を背景とする金の反発

Reuters|11月3日の金相場と原油・インフレ懸念

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