初めてのCFD取引 Part-74(消費者のセンチメント指数)

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消費者のセンチメント指数と為替レート

将来の景気の先行きを見通す上で、企業の設備投資などが重視される傾向にありますが、「景気は気から」と言われるように、新規の設備投資が実を結ぶか否かは、結局、消費者の消費動向にあると言えます。

アメリカ人は特に買い物好きであり、年末に向けて11月からはクリスマス商戦も始まります。そういう意味でも消費者心理を表す統計は、景気先行指数として機能すると考えられます。


消費者のセンチメントの景気における位置付け

消費者が、景気が良い事を感じていれば、実際にモノを買いお金は市中で回ります。逆に、不況(景気が悪い)を感じていれば、現金を支出する事を抑え、貯蓄や安全資産に投資する事になります。

消費者心理を表す統計は、景気循環(Business cycle)における回復期(recovery)において、特に注目される事になります。これは「リカバリーの先行指標」と言えます。

消費者のセンチメントが落ち込んだままでは不況から脱却するのは不可能ですし、逆に、不況下でも消費者のセンチメントが何らかの理由で急激に回復した場合には、他経済統計等に波及する可能性が高いです。

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アメリカ国内では、消費者心理を表す統計として代表的なものが2つあります。

1つは、ミシガン大の社会調査研究所(ISR)が発表する、消費者のマインド結果を指数化したもので、「ミシガン大学消費者信頼感指数」です。

そしてもう1つは、民間調査機関であるコンファレックスボードが発表する「コンファレンスボード消費者信頼感指数」です。

この2つの統計の大きな違いは、

ミシガン大学の消費者信頼感指数

対象人数が500名(速報値は300名)、コンファレンスボード調査の方は、対象人数がその10倍の5000名と言う事です。
ミシガン大学の消費者信頼感指数は、月の第2金曜もしくは第3金曜日に前月分のデータが速報値として発表。(夏時間:日本時間午後10時55分、冬時間:日本時間午前11時55分)発表。

この時点では300名が調査対象になっており、コンファレンスボードの調査統計よりも先行性があるといえます。
しかし、調査対象人数が少ないことから、調査時に大きな気候変動災害が発生していたり、生活必需品の上昇等がTV報道で流されていたりすると、その数値は上下に大きく振れるという特徴があります。
結果として、エコノミスト予想から大きく外れる事も時としてあります。

そういう意味では、ミシガン大学の消費者信頼感指数(速報値)は、その調査人数も考慮すると、コンファレンスボードの指数より信憑性は低いと言えるかもしれません。
しかし、市場は常に先々を見ており、どうしても速報値などを重視する傾向が強いです。

例え信憑性が低くても、同速報値(ミシガン大調査)によって債券金利が変動し、株式・為替レートにも影響する事があります。ミシガン大消費者信頼感指数は、確報値が月末の最終金曜日に発表されます。


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コンファレンスボードの消費者信頼感指数

コンファレンスボード消費者信頼感指数は、消費者のセンチメントだけでなく、商品別の耐久消費財の購入予定なども調査の対象になっていて、ミシガン大学の調査より一層深いデータとなっていると言えます。
しかし、消費者心理の先行性や、歴史・マーケットの知名度などの面ではミシガン大のデータに遅行する事になります。

コンファレンスボード調査は、その月の始め、第1週と第2週に調査を実施し、発表するのはその月の最終火曜日(今月は10月30日)です。(夏時間:日本時間午後11時、冬時間:日本時間午前0時)発表。

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どちらも景況感(景気に対する印象調査)なので、実体経済を確実に表しているのかと言うと、そうとは言い切れない側面はあります。しかし、金利動向や為替レートには反映される傾向にあるので注意は必要と言えます。

ミシガン大とコンファレンスボードの消費者信頼感指数は共に、

数字が上向けば消費者心理は上昇している事を示し、下向けば消費者心理は下がっている事になり、景気の先行指標になってます。

どちらの指数も景気後退期(リセッション)に差し掛かる前よりその数値は下落する傾向があると言え、景気後退を早々と示す事になります。

逆に、消費者信頼感指数が反発してくれれば、それは景気後退期からの脱却サインと言う事になります。
過去の景気後退期と消費者信頼感指数は相関性を明確に示しており、消費者信頼感指数は金利や為替レート(ドル買い・ドル売り)に強い影響を及ぼしていると言えます。

3ヶ月平均に注意

速報値に為替レート(米ドル)は反応する傾向にあります。景気ロングポジションを取るのであれば、確実な景気回復3ヶ月の動きに注目する必要があります。

来週は、月曜日のミシガン大学消費者信頼感指数、金曜日の雇用統計、アメリカ中間選挙関係、世界的な株価の行方etc.マーケットから目が離せません。

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